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「琉歌と出逢った!」 | [編集][削除] |
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小学校5年生の頃、学校の図書室に古びた色の表紙に「おもろそうし」と書いてあった。
沖縄のことに熱中していた私は浅はかにもそれを「”おもしろ”そうし」と読んでしまった。
本棚からすかさず引き抜いて机の上で本を開いた。面白いとあったのに中を開くと難解な文字が氾濫していた。でも気にせずに内容を探った。読めるようなところだけ読んで読み飛ばした。
その時に一瞬眼に止まった言葉があった。
波の声も止まれ 風の声も止まれ
首里天加那士 美御機拝ま
(なみのくいも とまれ かじのくいも とまれ
しゅいてぃんがなし みゅんちゅうがま)
と振り仮名があった。そして作者名が恩名那びー とあった。
私はこれを読んで最初に興味を感じたのはその歌の意味ではなくて作者の名前であった。
恩名とあるのはまさしく”女”のことだと思った。那が苗字でびーが名だろうと直感的に理解した。
見事な理解力であったと今更ながらに思う。あたらずとも遠からず。作者はその通り女性であった。でも恩名は”女”の意ではなかった。恩名という村の出身の人でそれで恩名という姓であった。”那”と”びー”も切り離して考えてはだめだ。”那びー”という名前の女性なのだ。
育つ環境によって異文化への距離感は恐ろしく遠い。今にすればあたり前なことでも正しく知識を理解していないと。物事への認識率は捗捗しくはない。その程度の知識で手にした「おもろそうし」の第一印象がそれであった。難解でちっとも面白そうではなかった。
にもかかわらず私はその恩名那びーに恋慕した。それはくるおしいほどの恋情であった。何に魅かれたのかと言えば先の歌の
「波の声よ止まれ 風の声よ止まれ」
とこの部分にだけに思い入れがあった。それは宮沢賢治の「雨にも負けづ 風にも負けづ」と同じぐらい、いやすでに幼少から文化圏の違う琉球文化に人並みならぬ興味を持っていた私にとっては宮沢賢治以上の迫力で那びーが私に語りかかけてくる。そのままに標準語で詠んでしまうと感慨は極端に薄れてしまう。しかしルビの沖縄言葉で何度も読み返すうちに琉球の藍海、青い空、暖かい風そして雅な琉球王朝の絢爛さまでも少ない知識を駆使して想像を掻き立てた。私の思考は北の地にいながらにして南国琉球を感じてしまった。
この歌のこの前節が私を沖縄に駆り立てたと行ってもよいだろう。
そんな私が昨日浦添市の図書館へ珍しく足を運び琉歌の関係の本を3冊借りてきた。
そのなかにたまたま目に付いて気に入った歌がある。
畠ははんた畠 道はくびれ道
思ゆらば里前 尋めていもれ
(はるや はんたばる みちや くびりみち
うムゆらば さとぅめ とぅめてぃ いもれ)
標準語で詠んでも沖縄の昔の言葉(の内)で詠んでも難解かもしれませんね。
でも沖縄の言葉は平安時代の言葉表現が化石的に遺っていて上の標準語で読むよりも下の”うちなーぐち”で何度も読むほうが理解は深くなります。是非挑戦してください。
ついでにもうひとつお薦めです。
離れれば 見欲しゃ 見れば 抱き欲しゃ
抱けば恋し欲しゃ にゃやせまらぬ
(はらりりば みぶしゃ みりば だちぶしゃ
だきば くいンぶしゃ にゃやしまらん)
注釈: さとぅめ =いとしい人、彼氏
にゃ = 感嘆符 あぁ~!という感じ。
やしまらん = どうすることもできない。
にゃやしまらん で もうどうにも止まらない!(リンダ風)
味わってください。
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2009年05月06日 09時45分 [ 閲覧数 4 ]
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